「Nのために」とは、2014年にTBS系列で放送された日本のテレビドラマです。
物語は高層マンションでセレブ夫婦が殺害された事件を中心に展開しています。
登場人物たちそれぞれが歩んできた人生や、大切に思っている人を守ろうとする気持ちが複雑に絡み合い、真実が明らかになっていく純愛ミステリーです。
作品の概要
作品情報
- 原作: 「Nのために」(双葉文庫) by 湊かなえ
- 脚本: 奥寺佐渡子
- 製作: ドリマックス/TBS(2014年)
- 主題歌: 家入レオ「Silly」
- 杉下希美(明央大学文学部英文学科4年生) – 演:榮倉奈々
- 成瀬慎司(大学中退後、シャルティエ・広田 アルバイト) – 演:窪田正孝
- 安藤望(三羽商事営業部・希美の大学の1年先輩・野口の部下) – 演:賀来賢人
- 西崎真人(法学部留年中・自称作家) – 演:小出恵介(少年期:若山耀人)
- 野口貴弘(三羽商事営業部プロジェクト課 課長) – 演:徳井義実
- 野口奈央子 – 演:小西真奈美
- 高野茂 – 演:三浦友和
相関図
あらすじ
ドラマは、2004年12月24日にスカイローズガーデンの48階にある野口宅で起きた殺人事件から始まります。
野口貴弘とその妻・奈央子が殺害され、現場にいた西崎真人が殺人を自供して逮捕されます。
同じく現場にいた杉下希美、成瀬慎司、安藤望も事情聴取を受け、西崎は10年の実刑判決を受けます。
10年後、元警察官の高野茂は事件の真相を追求し始め、西崎と接触します。
高野は、15年前に成瀬の父が経営していた料亭「さざなみ」の放火事件の調査を行っていました。
事件の現場には高校時代の希美と成瀬が居合わせていたことから、2人に対する疑念を持ち続けていました。
物語は、現在と過去を交錯させながら進行し、ある殺人事件の真相を軸に、各人物たちが抱える愛の物語を明らかにしていく構成となっています。
緻密に構築されたストーリーラインと、各キャストによる感情豊かな演技が特徴的です。
登場人物像
- 杉下希美(22歳): K大学文学部英文科の4年生で、小柄な女性。将棋が趣味で、推理小説が好き。高校卒業まで愛媛県の青景島に住んでいたが、成瀬慎司とは特に親しくなかった。しかし、共通の趣味である将棋を通じて親しくなる。
- 成瀬慎司(22歳): T大学経済学部国際経済学科の4年生で、大柄な男性。将棋が趣味で、ミルクたっぷりのマイルドなコーヒーが好き。高校まで青景島に住んでおり、後に希美と親しくなる。
- 安藤望(23歳): M商事営業部プロジェクト課で勤務する男性。歴史小説が好きで、希美より年上。大学時代は理工学部化学科に在籍し、希美と西崎と同じアパートに住んでいた。
- 西崎真人(24歳): M大学法学部法律学科の4年生で自称作家。幼い頃に母から虐待を受けており、その傷を隠すためにいつも長袖を着ている。事件当時は、奈央子の依頼で花屋に扮して野口家に入り、彼女を救出しようとした。
- 野口貴弘(42歳): M商事営業部プロジェクト課長で安藤の上司。大の負けず嫌いで自己中心的な性格。事件当時は杉下希美と将棋をしていた。
- 野口奈央子(29歳): 野口貴弘の妻で、以前はM商事の受付嬢をしていた。夫からの虐待を受けており、外出が困難になっていた。西崎とは互いの苦しみを共有していた。
最終回の解説
真犯人は?
野口貴弘を殺害したのは、妻の奈央子
その後すぐ、奈央子は自死した。
事件の真相
妻・奈央子は、夫である貴弘にDVを受けていました。
事件当日、野口貴弘は杉下希美を書斎に招き、安藤望に将棋で勝つ方法を尋ねます。
(野口と安藤は、安藤望が勝負に負けると、知らない国への海外赴任が決定するという”賭け”をしていました。)
安藤は予定より早く到着し、野口は時間を稼ぐために彼を屋上のラウンジで待たせます。
その後、杉下は野口に将棋の必勝法を教え、彼は勝利し、安藤の海外赴任が決定します。
一方、西崎は花を持って野口宅に到着し、安藤と出会います。
(貴弘による監禁を受けた奈央子は、西崎に助けを求め、彼は花屋を装って野口家に来る予定でした。)
西崎は野口奈央子を抱きしめ、彼女を連れて逃げようとしますが、奈央子は家から出ることを拒否し、杉下を連れ出してほしいと頼みます。安藤は玄関ドアの外側にチェーンを掛けて屋上のラウンジへ戻ります。
その後、奈央子と西崎の不倫を知っていた野口は西崎を暴行し、リビングへ逃げた奈央子を追いかけ、首を絞めます。
西崎は包丁を持って野口を止めようとしますが、もみ合いになり、野口が包丁を奪い、西崎を刺そうとします。
奈央子は野口を燭台で殴り、野口が苦しんでいると、奈央子は自分の腹を刺し、西崎に謝罪します。
西崎は凶器の燭台を持ち、自分が野口を殴り、奈央子を刺した野口を殺したと杉下に告げます。
杉下は西崎が罪を被ることを説得しますが、西崎は罪を償いたいと言い、野口に包丁を握らせます。
成瀬慎司が到着し、血まみれの杉下と死んでいる野口夫妻を見つけます。
西崎は作戦が失敗したと告げ、成瀬は西崎と杉下を守るために警察に通報します。
これが事件の真相です。
視聴者の反応
中毒性を持つ作品
見始めると止まらない中毒性を持つ作品でした。深夜にもかかわらず、次の展開が気になって眠るのを忘れるほど。物語の緻密さ、細やかな伏線の張り方、そして伝えられるメッセージの深さに圧倒されます。このドラマはただのサスペンスではなく、人間ドラマの傑作と言えるでしょう。
(Aさん)
人間ドラマの真骨頂
『Nのために』は、一見複雑なサスペンスとして始まるものの、徐々に人間の心理と感情の深淵を探るドラマへと変貌します。各キャラクターが抱える内なる葛藤や秘密が、一つ一つ明らかになるにつれ、ただのミステリーとは一線を画す、人間ドラマの真骨頂を見せてくれます。特に印象的なのは、キャラクターたちがそれぞれに抱える「N」に対する思い。
(Bさん)
予測不可能で、感動的なクライマックス
物語の中で、キャラクターたちの心情の変化が丁寧に描かれるため、視聴者は彼らの感情の波に自然と共鳴します。愛とは何か、人間とは何かを問うような深いテーマが、サスペンスの枠を超えて心に響きます。
特に、物語の終盤に向けての展開は、予測不可能で、感動的なクライマックスを迎えます。
このドラマは、ただのエンターテインメントとしてだけでなく、人間ドラマとしての価値も高い作品です。
より深く物語を楽しみたい方は、湊かなえの原作本がおすすめです。
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